欠陥住宅を防ぐにあたって
FNN・スーパーニュースで欠陥住宅についての特集が放送されました。
何処かでUPされてばここでも紹介したかったのですが…見付かりませんでした…また探しておきますので下に概略を…
【放送の概略】
AさんはB社との間に建築契約を結び住宅を建てました。Aさんは引渡し後にその新築住宅に住み始めましたがその直後から床が傾く(実際は家が傾いた)などと言った現象が発生したそうです。AさんはB社に問い合わせをし調査してもらったところ『建物を支える地盤が下がった為家が傾いた』…との事でした。AさんはB社に対し買取を要求しましたがB社は地盤補強工事を提示してきたのでAさんは裁判を起しましたが裁判途中でB社は倒産…裁判で勝利したものの倒産によりB社に支払い能力はないと言われてしまったそうです。しかしAさんの家は(財)C(以下C法人)による10年保障住宅として登録されておりC法人では建築業者が倒産しても保障してくれるとの事でAさんはホッと一息ついたそうです。しかし…C法人は地盤については保障対象外として保険金支払いを拒否してきたそうです…Aさんは再び闇の中に…
この放送では『10年保障の落とし穴』…として構成されていました。何故この様な事が起きたのか…簡単に説明したいと思います。
①施工業者の社会貢献に対する意識の薄さ
番組で出演した女性一級建築士さんは『施工業者のお勉強不足』と表現されていました。私はその勉強不足をもう少し踏み込めば『施工業者(企業)の社会貢献に対する意識の薄さ』だと思います。それは社員教育を万全にする前に現場に出すのが殆どだという事です。よく『現場で覚えろ!』という言葉を聞かないでしょうか?確かに机上で勉強するよりも現場で勉強した方が有効です。しかしその為には【教える人】【確認する人】が必要なのですが…実際は【放置現場】が多く、そんな現場ではお客様からのクレームが着てから対応…と言うお粗末な行動しか出来ないのです。ですのでお客様に対し
『今後はこの様な事が無いように対応します…』
という言葉が出てくるのです。しかしお客様にとっての今後とは他人に家であって自分の家ではないのです。一期一会と言いますが施工業者(企業)はもっと真剣に一つの物件に取り組まなければいけないのです。そして倒産…金融に詳しい方なら解ると思いますがこれは利益優先(自己優先)だと言わんばかり行動なのです。
②保障システムの盲点
実は私も前の会社ではC法人の保障を受けていました。細かい事については省きますが、地盤については検査ではなく確認なのです。(現在は保障内容も変わってきているそうですのでご注意…)つまり施工業者が地盤に対しどの様な確認をしたかを検査員は確認するだけで保障からは外れるのです。C法人の検査は【①基礎配筋検査】【②構造躯体検査】の二つしかありません。その前にも後にも検査は無いのです。基礎に対する保障はあっても地盤に対する保証は無い…つまり基礎を支える部位(地盤)については保障はされないのです。他保障会社の瑕疵実態調査では基礎自体の瑕疵は殆ど無いそうです。そして耐震診断でも地盤に対する強度で診断結果が変わると言っても良いのです。あとは…ご想像にお任せします。
(※保障会社がAさんに保障対象外と言ってもB社の責任は逃れる事はできません)
③設計者の設計・監理能力不足
②のC法人が地盤に対し確認をするだけだと言いましたが本来は設計・監理者が地盤に対ししっかりと確認・設計・施工指示すれば瑕疵は生まれなかった筈です。Aさんの家が傾いたのは設計者の能力不足も関係しています。(今回Aさんの家はB社の自社設計)同じ様な事で、細かい事例については次回にしますが設計者はもっともっとお勉強をしなければならないのです。
Aさんの様にならない為には
①施工業者の選定に気をつける
②建物保障(保険)に対し確認をする(各社・各団体で保障内容が違います)
③設計・監理について確認をする
私はこの上の三つの中で一つでも守られれば大きな瑕疵は発生しにくいと思います。
| 固定リンク
「住まい・インテリア」カテゴリの記事
- 樹木の剪定(2018.12.06)
- 熊本地震における新耐震基準の木造建物(2016.07.01)
- 畳スペースの増築(2015.08.31)
- 太陽光発電実測(3月)(2015.04.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント