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木造住宅の構造材

欠陥住宅・・・という言葉に敏感な方って多いと思います。実際TV番組などを見て我が家と比べたとき、我が家の症状に不安を感じる事もあるでしょう。私も実際この類のTV番組を視聴するのですが・・・時折・・・誤解を招く発言を聞く事もあります。正しい知識を持っていれば良いのですが、一般の方が聞くと良い家も悪く思ってしまう。。。そんな事に私は不安を感じてしまいます。

床と壁に隙間が・・・

築5年まで位の住宅で床と壁との間に隙間が発生した・・・なんて事はないでしょうか?それも入居して間もなく発生している。なんて事も・・・そんな症状を見てしまうとついつい・・・『手抜きされていたんじゃないか・・・我が家は弱い・・・』なんて事を思ってしまうでしょう。しかしその症状がすぐ欠陥だとは限らないのです。それは木材の特性が関与している事もあるのです。

含水率・・・

よく『木材は生きている』と聞くでしょう。。。人間と同じ様に木も水分を多く含んでいるのです。当然ですが伐採された木は新たに水分を補給する事は出来なくなります。そして徐々に水分が抜けていくのです。(湿気を吸うという事と補給は別です) そして水分が抜けた木は同時に収縮という現象を始めるのです。その収縮が床と壁の隙間の要因になっている事が多いのです。なぜそんな事が起きるのか・・・は後にして、木材の水分を計る機械があります。それが“含水率計”です。現在床などを支える構造材は25%以下の含水率で組む事が推奨されています。25%以下であれば生活上不快な感じを抱くことが無い位の収縮で済むからです。ただ注意してもらいたいのは25%以上だからと言って弱い材だと言うことではありません。もし弱いのであれば震災では全ての木造住宅が倒壊していたでしょう。。。

グリーン材・乾燥材・集成材・・・

さて・・・なぜそんな事が起きたか・・・約5年ほど前まで木造住宅は“グリーン材”という木材で組まれていました。さてグリーン材とは何でしょうか・・・グリーン材とは伐採された丸太を乾燥することなく一定の大きさに加工(製材)した材の事を言います・・・グリーン材で組まれた家は約半年から一年をかけて材は乾燥するのです。そう乾燥するという事は収縮をするということなのです。よく思い出してください・・・貴方の家は何ヶ月で出来ましたか? 早い施工店で2ヶ月~3ヶ月で完成すると思います。つまり乾燥(収縮)が済む前に家が完成するのです。そして・・・入居してすぐに収縮は目に見えて進んでいくのです。・・・乾燥が原因で床が沈んだというのは業者の言い訳だ!とお怒りになる方も見えるかもしれません。ですが5年ほど前まではグリーン材が当たり前だったのです。それはそれまでの家の造りに要因があります。実は・・・今までの家は組んだ後乾燥の期間があったのです。そう土壁の家など壁に土を塗った後、乾燥の時期が1ヶ月から2ヶ月ありました。その時期に木材も乾燥させていたのです。実は私の家もグリーン材で造りました。ただ土壁の家という事もあり、乾燥の時期がありました。当然大工の腕もありますが、そのおかげで床と壁との間に隙間はほとんどないのです。

とは言いながらも、乾燥時期について業者サイドが考慮していなかったのは事実です。いや・・・それでクレームを受けるなどとは考えてもいなかった・・・と言うのが本音でしょうか。5年ほど前から乾燥された材が市場に復旧されていきました。(乾燥材はKD材とも呼ばれます)この乾燥材は機械で人工的に乾燥された材の事をいいます。グリーン材に比べ少々コストUPになりますがクレーム回避という点から今や当たり前になりつつあるのです。そしてこの様な材を使用することにより乾燥による床の沈下は軽減されていきます。

乾燥材と同じ意味合いで集成材という材もあります。小さな材を貼り合せて作られた材です。集成材は・・・と思われる方って多いでしょうが・・・実際無垢材に比べ1.数倍の強度を保有できるのです。一見安く弱い家に思えるでしょうが実際は強い家の一つなのです。

事例・・・

ある建売住宅での話です。入居後床が1cm下がったとお施主様からクレームを受けたそうです。(私ではないです・・・)高さを測る機械で床の水平を測ると・・・確かに下がっている・・・(ただ許容値内だったそうです・・・)しかし『構造材が弱いのではないか・・・』『弱くなくとも材自体が不良品なのではないか・・・』というお施主様のコメント・・・に2階の床を剥し補強工事を行う事になったそうです。ただ完成された家の床を水平に・・・するなどとても大変な事だったそうです。基礎が傾いた訳でもなく1部屋の一部分が下がった・・・他の部分に支障が出ないように工事は行われたそうで・・・そして最後の判定は・・・許してください・・・だったそうです。

最近のクレームは以前のクレームから変化してきています。施主の考え方が変わった・・・という人もいますが、工期短縮・ローコスト化が招いたものだと・・・業者サイドも、もう少し研究してからお客様に出さないと・・・見切り発車が多すぎる・・・

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コメント

勉強になりました。

北海道では木の城××というのが有名なんだけどどんな構造材を使っているのだろう?

投稿: KUMa | 2006年9月18日 (月) 19時49分

KUMaさん、こんにちは。
この業界・・・如何にクレームを受けないかがポイントになっていて、クレームを回避する方法が研究されている(技術ばかりではなく言葉の使い方を含め・・・)のが本当です。
うまく言えませんが、当たり前である『安心』が先送りされているような気がします。

投稿: Nobu | 2006年9月19日 (火) 16時45分

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