安易な設備工事
木造住宅の納まりはこの数年で様変わりした。その納まりの一つに『直張工法』と呼ばれる工法があります。
以前は柱間に細い材(胴縁)と言われる下地材を打ち付けてから壁を貼り付けていましたが、この直張り工法は柱に直接壁を張り付ける工法なのです。そして最近は床にもこの工法が取り入れられ根太という細い材の代わりに厚さ24~28mmの合板を打ち付けその上にフロアーを張り付けます。この様な工法にする事により工期短縮や現場内の安全が図られるという利点があるのですがこの工法が時として設備工事において必要以上に構造材を痛める結果を生むのです。
まず・・・
設備工事とは電気設備工事・・・給排水設備工事・・・ガス設備工事・・・などを指します。構造材が組みあがり壁が貼られる前に設備業者さんは急いで壁の中に配線や配管を通すのですが時として配管を通す為に構造材に穴を開けるのです。以前の様に胴縁や根太があると構造材との間に15mmから45mmの隙間が出来る為に配管や配線はこの隙間を通す事が出来たのですが直張工法となるとこの隙間がない為構造材に穴を開けて配管や配線を通す事が増えてしまうのです。住宅などでは水道管などを配置する為にパイプシャフト(PS)というスペースを設ける事が多いのですが、電気配線のパイプシャフト(PS)は設けられる事は少ないのです。元々電気配線は細く自由に形を変えれる為、パイプシャフト(PS)の様な設備専用のスペースを設けることなど住宅クラスでは考えられなかったのですが、住居内において電気設備関係の配線が増えた今、これを無視する事は出来なくなりました。とくにブレーカー付近は電気配線が束になる為構造材を痛める事が多くなりつつあり、これは家造りにおいて注意すべき点なのです。そして・・・昔の話です。私が現場で構造材に穴を開けようとする設備屋さんに、その事を注意したところこんなコメントが・・・
『穴を開けないと配線が通らないぞ!電気いらないなら良いけど原始時代じゃないのだからそんなの無理だろ!』
確かにその通りです。しかし・・・構造体に負担がかかりにくい所に穴を開けて欲しいとお願いしたのです。解りやすく2*4工法の根太の話をした時、職人さんは・・・
『へーそうなんだ・・・それであそこに穴が開いてるんだ・・・』と納得してくたのです。そしてそれ以降配線の仕方を考えてくれる様になりました。
といいながら・・・
実は私の家は直張工法ではなく胴縁・根太工法の家です。しかし・・・水道配管を留める為にわざと構造材に穴を開けて留められています。。。水には詳しい職人さんでしたが・・・あれを見たとき絶句しました。。。とはいえ・・・ねぇ・・・
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きょうはNobuとblogした?
投稿: BlogPetのハルク | 2006年9月24日 (日) 13時23分