たまには昔話でも
愚痴ばかりでは面白くないので・・・設計事務所に勤めていたときの話を。。。
まだ私が勤めだして2年目の夏でした。今では地方番組ですがTVCMを出すまで大きくなったお店が地元にあるのですがそこの社長さんから一本の電話が・・・
『昨日○ちゃん(←所長)に仕事頼んだんだけど事務所に来たら電話もらえるかな』
という内容でした。所長が事務所に来てその話をすると・・・
『昨日・・・たしか・・・スナックで・・・隣にいたな・・・そういえば・・・そんな話もあった・・・かな・・・』
と・・・如何にも所長らしい返事が・・・そして電話をして所長は出て行きました。
事務所に帰ってくると所長は私に計画図を書くように言うのです。まだ新米な私にです・・・『これは流れるな・・・所長はやるきはないな・・・』と思いながらも計画図を作成しました。(実のところ当時1人先輩がいましたが確実な別物件の設計中の為私に声がかかったのです) 『消える物件なら遊んでやれ!イメージは宇宙ステーション!』と若輩者が勝手に考え勝手に計画図を作成して所長の元へ・・・すると・・・
『今の建物と大差ないな・・・ここRで・・・』
その一言で修正・・・その一言再度所長の元へ・・・
『あ!2部焼いといて!』 (←2部焼くのが決まり文句だった・・・確か)
そして数回(片手で数えれるくらい)図面訂正してから社長さんから電話・・・
『この入り口の柱は?・・・そう面白そうだね・・・あ!道路面の窓全てなしね・・・うん確かに見栄えしないけど商品がね西日で焼けちゃうから・・・』
たった数分の電話での打ち合わせでしたが濃かった・・・当時私は建物しか見ていなかったのですが社長さんは当然商品の事も視野にいてれている。当然商品が売れなくては意味がない。販売にも頭を使ってみえるのがよく解りました。・・・でもおかげで宇宙ステーションは・・・
そして消えるであろう物件はそのまま実設計へと入り構造計算だけは先輩にお願いして残りは一人で書き上げました。(あ・・・設備図面は違うか・・・)当時はドラフター・・・CADもなく全て手書きです。今でも愛用の4本のシャーペンを使って。。。
そして大緊張の建築業者(6社位だったかな・・・)への図面説明会・・・見積提出前には質疑応答・・・この時は図面を書いた者への業者からの通信簿みたいなもので・・・結果は・・・10点程度しかなく・・・ほっ・・・そして業者決定(社長と所長とで決めたようです)・・・そして確認申請も無事に許可をもらい再び・・・ほっ・・・
そして着工し無事に竣工しました。。。
そうそうこの物件の直前ですがある設計事務所の所長さん2人と一緒にいるとき『何が良い建物か』という話になりました。その時の結論(?)がデザインばかりではなく家の人が繁栄する事だと。。。結局はその家や建物で不幸な人が出てしまう事が嫌ですからね。。。
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コメント
Nobu様、こんにちは!
こんな事があるんですよね。
だから人生って分からない、面白いのかもしれませんね。
長い時間掛けて、あーだ、こーだ。とやって来た物件が意外に面白くなく。
時間が無くて、バタバタとやってしまったものがいい評価を受けることってありますよね。
何処かに本音が出ているからでしょうね。
あまり触りすぎるのも良くないのかも・・ですね。
投稿: 建築屋 | 2006年5月 8日 (月) 08時02分
建築屋さん,こんにちは。
何事も一瞬の発想だと思います。長々考えても閃かない時もあれば瞬時に閃く時もありますしね。
試験ではありませんが最初に出した答えが正しく見直しの答えが間違いみたいなものでしょうか…考え過ぎもホドホドに…でしょうね。
投稿: Nobu | 2006年5月 8日 (月) 11時12分